朱の蝶

「兄貴、そろそろ
 遣りますか?」

「ああ
 チカ・・・二代目
 合図出したって下さい」

「合図?」

首を傾げる私に、一新が
耳元で囁く言葉を、私は
そのままに言う。

「打ち噛ましたれや」

開かれるドア・・・

そこに現れたのは、神前組

天井に向けて、発砲する
機関銃の音

吊るされた大きなシャンデリア
のガラスは割れ、散乱し雨の
ように、男達の頭上に降り注ぐ

逃げる男、身を庇う男達

ハトが豆鉄砲を食らったような
表情を浮かべ一瞬、時が止まる
西村組の連中。

意標をつかれ、出遅れる男達

神前組の連中が、部屋中に
なだれ込み溢れ、その勢いは
ものすごい。