朱の蝶

弦・・・

アンタだけは、別

こんな時でさえ、私は
アンタに会いたい・・・

消え行く命の灯火に凍える胸

そんな物、望んでない

望むのは、ひとつ

弦に抱かれて温もりの中
眠りたいだけ

「お前

 早く、会長に知らせろ」

ドアに手をかけた男の手に
当たるか当たらないか
ギリギリの場所に銃弾が
当たる。

ドアに触れる手を放す男に
殴りかかる。

氷の結晶の模様のように
ひびが入るガラス。

驚く、従業員達の元へさっと
組員は近づき、声を立てずに
静かに出て行くことを命令する

「割れへん、ガラス?
 
 きれい・・・」