朱の蝶

「今、どこ?
 
 シリュウのとこ
 行きよん?」

「料亭に向かっています」

「戦争、始まるん?」

「・・・・・・」

一新の車・・・

車内、一新は何も言わず
私の肩に、もたれかかり
目を閉じる。

私は、左手で一新の手に
触れる・・・

この手も、温かい。

右手には、祐の温もり・・・

一新は、ぼそっと呟いた

「えらいことに、お前
 巻き込んで
 俺はずっと、親父に
 頭が上がらんままやな
 ・・・」