朱の蝶

私の肩に回された一新の腕

私は彼を支え、一緒に
車に乗り込む。

クラクションと共に

走り出す車・・・

助手席に座った、祐は振り返り
後部座席にいない、千景を思う

さっきまで繋いでいた手
温もりは、この手に微かに残る

電話の音・・・

「もしもし?

 ・・・ニイナさん」

その電話は、病院へ運ばれ
目覚めたニイナからだった。

彼女は、病院にいる理由を
付き添っていた神前組の者
から聞き、彼の携帯電話から
連絡をよこした。

その声に、力は無い。

「チカゲ、代わって?」

「すみません
 
 二代目は、今は
 ここには・・・」