朱の蝶

一新の表情が、一瞬だけ
面倒なことになったと歪む

見つめる私に、口元を緩めて
みせる貴方

貴方は、過去に愛した人・・

「大した事ない
 
 どんだけ集まっても
 雑魚は所詮、雑魚や
 
 神前は、絶対に負けへん
 
 ほな、行こか」

一新の後姿を見つめる

「イッシン
 
 ほんま、大丈夫なん
 怪我・・・?」

「大丈夫や」

見つめていると一新の足が
止まり、彼は振り返り手招く

「そないに心配やったら
 一緒に、こっち乗れや」

「うん」