朱の蝶

「チカが言ったのか?」

「ああ、彼女の口から
 聞いた、本当の話だ・・・
 
 チカを迎えに来ていた男に
 俺は見覚えがある
 奴は、神前組の男

 チカは、妹としてでなく
 二代目として、この俺に
 復讐する為にここへ・・・」

「最初は
 そうだったかもしれない
 復讐の為にお前に近づいた
 
 でも、チカは全てを知って
 いても尚、お前を愛する
 気持ちを止める事が
 できなかった
 だから、お前を受け入れた
 
 それが、復讐・・・
 笑わせんな
 
 傷を負ったのは
 お前も彼女も同じ・・・

 いや、チカの胸の方が
 今は亡き兄への罪悪感に
 苛まれ、お前の何倍も痛い
 
 苦しい・・・」

あなたと、わたしの傷は同じ