俺は今

手当たり次第、歩く。

ポケットには、煙草と
財布と携帯電話。

たった、それだけ・・・

他には、何も持たずに
俺は、ただ街を歩く。

賑わう人の群れに紛れ
聞こえる、その話声は
今の俺には、騒音に等しい。

ショーウィンドーに映る
自分の姿を俺は見つめる。

見つめる

見つめる・・・

時間は、遡る・・・

夜も更け、そろそろ眠りに
つこうと部屋の電気を消した
その時

ピンポーン

音が聞こえた。

誰だよ、こんな真夜中に?

俺は、掛布団を剥ぎ
ベッドから起き上がる。