『チカ・・・』

似てるのは、声だけ・・・

あんな男に抱かれる私

あんな男に頭を下げる男

「タスク、ごめんな

 ほんま、ありがとう」

「いえっ・・・」

バックミラー越しに映る
千景の涙は、祐の胸を衝く。

「ほんま、あたし
 アホやわ
 
 何が組長や・・・
 
 笑かすわぁ」

手の甲で、涙を拭う私。

「貴女は、紛れも無い
 神前組、二代目・・・

 組は、アンタのもんです
 
 貴女の思いのままに・・・」

私の思いのままに・・・