朱の蝶

柳五の胸倉を掴みにかかる
祐。

「タスク、やめぇ」

響き渡る、千景の声
静まる店内・・・

「一度、極道から逃げ出したん
 は、ほんまのことや
 
 女に戻ろう思ったけど、女に
 戻っても、ろくなこと無い
 
 そう分かって、全部捨てて
 この世界、戻って来てもた
 
 戻ってきたからには、もう
 私は、二度と逃げへん
 
 最後までやり遂げる
 そう、決めたんや」

千景の遠くを見つめる
強い眼差しに、気づけば
吸い込まれる。

『最後までやり遂げへん
 奴は、嫌いや・・・』

「チハヤ・・・?」

その表情は、過去に天辺に
君臨した男にそっくりで
誰もが見惚れ、惹かれる。