朱の蝶

祐の横顔がどんどん険しくなる

柳五の隣、彼の舎弟の顔も
険しくなる。

今、この場で取っ組み合いが
起こりそう・・・

私は、祐の腕にそっと触れた

「タスク
 遣ったらあかんで」

祐は、深く息をつく。

沈黙の中、柳五の笑い声が響く

「嘘ですやん、冗談や

 ほんま、神前組の奴等は
 堅物な上に、気が荒くて
 厄介な連中ですわ
 
 よう、そんな気性が激しい
 男共を束ねて、天辺
 やってますなぁ?

 怒らんと聞いてくださいよ

 二代目の兄貴、チハヤは 
 相当の悪やったから
 そこに、填まってたけど

 二代目、女のアンタには
 ちょっと無理やないですか?
 
 現に、噂では、逃げ出した
 そうやありませんか?」