朱の蝶

ニイナを見つめる私に、柳五は
彼女との関係を話し出す。

「ニイナの奴、今はあんな
 笑ってますけど、ワシと
 出会った頃は、泣いてる
 方が多かった

 親の会社が倒産して、父親は
 自殺、母親と二人借金返済に
 追われて苦労してたアイツを
 拾って、この店遣らせてます

 俺の大事な女の一人ですわ
 
 十五も年下の女に惚れるや
 なんて、ほんま、手焼いて
 ますよ

 あはは・・・
 
 そうや、どないですか?
 組長さんも、このワシと
 大事にしまっせ」

私に笑いかける、柳五の瞳
は少しも笑っていない。

私の隣、祐と睨み合う。