朱の蝶

「見てのとおりやわ

 それにしても、何年ぶり
 やろねぇ?
  
 ちょっと待って・・・ 
 あんた、何、極道なんか
 やっとん?

 組長は、女・・・チカゲ?」

ニイナの顔が、悲しい顔に
変わる。

「そう、私や・・・
 
 神前組、二代目組長
 神前千景」

私を両手で抱きしめる、ニイナ

甘い、香りが漂う・・・

「アホ
 あんた、どこまで苦労
 背負い込む(しょいこむ)
 つもりや?
 
 介護の次は、極道
 ええ加減にしいよ」

涙声のニイナの背中を私は
ポンポンと叩いた。