朱の蝶

「リュウさん、相手は女でも
 神前組、二代目組長・・・
 
 絶対に
 手だけは出さんように・・」

「綺麗な薔薇には棘がある
 言うやろう
 
 一度、お願いしたいねぇ」

足取り軽やかに階段を降りる
柳五の腕を掴む綺麗な手。

真っ赤なマニキュアの爪を
その腕に立て握り締める。

「アンタ、何
 浮かれてんの?」

振り返る、柳五。

「お前か、誰も浮かれてへんわ
 
 アホなこと言うとらんと昨夜
 話して聞かせたとおり
 これから、神前の組長さん
 と大事な話がある
 
 兄貴等が現れへんよう
 しっかり、見張り頼むぞ」

「はあい」

綺麗なドレスに身を包んだ女性
は、神前組組長、千景の元へ
コツコツと歩いて行く。