朱の蝶

何も知らない私に、組長として
の役割、ノウハウを教えた男

いわば、教育係・・・

毎日、彼と過ごす度にいつの日
か、彼への淡い恋心か芽生えた

そして男は、私を得る事で
実質、組長の座を手に要れた

それが、男の野望・・・

誰ひとり、組長が選んだ男に
文句は言えない。

この男の表面の優しさは

偽物・・・

その作られた優しさに、まんま
と騙されたのは、私・・・

私が、ここに居る意味は
この名前とHEROの血・・・

彼に抱かれ、穢れていく自分を
ただ見つめる事しかできない私

「二代目
 お迎えにあがりました」

「タスク、大事な組長
 ちゃあんと
 送り届けてくれよ」

「はい」

肌蹴たシャツを身に纏った
一新は、私の唇に口づける。

自分の女だと

知らしめる為に・・・