朱の蝶

私を見つめる男達の熱い視線に
私は、何も言えない・・・

熱望する、熱い視線の多さに
息も出来ない・・・苦しい

どうして・・・私なの?

「どうして、私なのか?
 貴女は、今
 そう思っていることでしょう

 初代が亡くなった後
 一致団結していたはずの
 この組は、突き進む道を
 見失い、大きく荒れ狂う
 
 この八年もの間、ただ只管
 仲間同士で争いあう、辛く
 悲しい時を過ごして来ました
 
 こんなんでは、あかん

 死んだ親父も報われへん

 もう一度、この組の本来の姿
 を取り戻したい

 その為には、貴女がこの組
 には無くてはならない」