私は、もう一度
弦に抱きついた。

「待ってるから・・・
 
 ずっと、ずうっと
 待ってる」

私の唇に、貴方の唇が触れる

時間が過ぎるのは嫌・・・

だけど、弦に早く会いたいよ

お昼ご飯を済ませ、流し台に
食器を片付ける私に微かに
聞こえる声。

「鈴さん、ご無沙汰してます
 この庭、ゲンが?」

「セキさんも、お元気そうで
 ・・・・・・
 違うわよ、この庭は
 ゲンちゃんのお友達の
 妹さん・・・
 私が思うには、きっと
 ゲンちゃんの恋人ね」

「ゲンの恋人?」
 
「そう、チカちゃんがね・・・
 あらっ、そう言えば
 貴女は確かこの間・・・」

玄関のドアが開錠され
開かれるドア。