朱の蝶

何も知らない私でも、この場所
に、立ち入ってはいけない事
ぐらい分かる。

男達の住処・・・

女の私が居るべき場所ではない

窮屈な思いは、あの着物を着た
時と同じぐらい。

ううん、それ以上・・・

聞こえる、声は言う。

「単刀直入に言います
 
 貴女に、神前組の
 二代目組長になって
 頂きたい

 二代目を次ぐのはこの組を
 作った初代組長の血・・・

 妹である、貴女しかいない」

「・・・・・・」