朱の蝶

その頭に、弦は触れ
ポンポンと優しく叩いた。

「遠慮せずに食べろ」

『遠慮せんと食べえ』

私は、気づいた。

弦が放つ言葉が兄に似ている
と感じたのは、この場所が

兄、家族と暮らしていた頃に
値するほど、私にとって重要
な場所になっていたから。

家族、仲間・・・

上辺だけでなく、もっと
深い部分で繋がっている

兄を亡くした私は
居場所を失くした・・・

そんな私に今、仲間
かけがえのない人達ができ
ここに、居場所ができた。

在りのままの私で
いられる場所・・・