朱の蝶

私は涙を拭い、弦の姿を
見つめた。

弦だけをみつめた。

「飯にしますか?」

私達は熱い日差しの元
ジュジュッと焼けるお肉を
じゃんじゃん食べる。

「チカちゃん、ほらっ」

「チカちゃん、どうぞ」

「ありがとう」

チカちゃん
 
チカちゃん

私のお皿には、みんなから
順番に貰った、野菜や
お肉がのっている。

お皿が空っぽになることは
ない。

「ありがとう」

こんな私に優しくしてくれて
ありがとう・・・

みんなに深く頭を下げる私。