朱の蝶

「カンザキチカゲさん
 ですね?」

太く、低い声・・・

「はっ、はい」

彼は、私に深く頭を下げた。

すると、背広姿の男達も
一斉に頭を下げる。

えっ、何?

ほんまに、何なん・・・

「お迎えにあがりました」

お迎えって何?

呆然と立っている私の両脇に
男が立つ。

挟まれた私は、ほぼ無理やり
に車に乗せられ、ある場所へ
と連れて行かれる。

そこは、神前組本部事務所。