朱の蝶

そう思っていたのに、そんな
浮かれ気分の私の前に

過去に、何度か見た事のある
男達が現れた。

「お嬢、お久しぶりです」

いったい、何ごと?

校門の前に、どーんと停車
された黒い高級車が三台。

ずらりと並ぶ、背広姿の男達

柄の悪い、厳つい男達に帰宅
する生徒や親御さん達は
もちろん、先生までもが
怖気付いている。

空気が重い・・・

高級車のドアが開き、一人の
男がゆっくりと私の方へと
歩いてくる。

私の足、震える・・・