朱の蝶

「あたし、帰るわ
 ニイナはどうする?」

「あたしも帰る
 
 チカゲ
 また、連絡するから」

この日、別れた私達はお互い
に住んでいる場所を知らない

学校も違う為、共通の話題も
無く、だんだんと携帯電話で
連絡を取ることも無くなり
疎遠になる。

数年後、偶然に再会するまで
一度も、ニイナに会う事は
無かった。

私は毎日、嫌な態度、冷たい
視線を目一杯に浴びながら
この家で耐えて耐えて耐えて
生活を続けた。

そして、やっと高校を卒業する

卒業式の日・・・

これから、私の輝かしい人生が
幕を上げる・・・

始まる・・・