朱の蝶

指を絡ませて、手を繋ぎ
寄りそう二人。

弦が、ぎゅっと強く
私の手を掴んだ。

お願い

この手を放さんといて

ずっと、繋いどいて

こうして、ずっと・・・

「チカ
 どうして、泣く?」

「ゲン、この手を
 放さないと
 誓ってくれる?」

「ああ
 お前を二度と放さない」

「約束だよ
 独りはもう嫌だよ」

貴方は繋いでいない方の
手を上へと高く掲げ
小指を立てた。

「ほらっ、お前も指」

私の掲げた小指に、貴方の
小指が絡まる。