朱の蝶

「ニイナ
 あっちで、ジュース飲も」

「うん」

駅に隣接された公園で、二人は
肩を並べて、地べたに座り込み
飲みかけの缶ジュースを地面に
置いた。

「これから、どうする?
 行くとこあるん?」

千景は、見つめる・・・

登校する女子高生達の姿を。

「・・・・・・」

「チカゲ、聞いとう?」

「えっ、ごめん、何?」

「あれ、同じ学校の子ら」

「ううん、違うで・・・」

黙ったまま、ジュースを飲む
私は、ある事を思い出していた