朱の蝶

見た目はグロテスクだったけど
食欲をそそる、おいしい匂いが
部屋中に立ちこめる。

グ~、グルグルグル

止らない、空腹を知らせる
お腹の音。

『チカ、遠慮せんと
 熱いうちに食べえ』

『はい、いただきます』

一口食べたら、涙が溢れた。

右手に持つ、スプーンに
零れ落ちる一粒の涙

『不味いんか?』

『ううん、めっちゃおいしい
 お兄ちゃんのカレー
 お父さんのカレーと
 同じや

 私もいつか作れるかなぁ』

お父さんとお母さんは
もう居らへんけど、私には
お兄ちゃんが居る。