朱の蝶

「あっ、そうだわ
  
 ゲンちゃんの
 お知り合いだという
 女性がいらして

 今は留守だと伝えたら
 帰って行かれたわよ」
 
「そう、ですか」

弦の知り合いの女性・・・

あっ、そうだ

きっと浬さんか塁さんの
奥さんのはず・・・

そうに決まってる。

ラフな格好に着替えた私は
今、弦のお家の庭にいる。

そこへ、仕事を終えた弦が
帰って来た。

駐車スペースに車が停まる。

「あら、いつの間に・・・
 もうこんな時間
 お父さんが帰ってくるわ
 夕飯の支度しなくちゃ」

「おばさん、手伝ってくれて
 ありがとう」

汚れた手に握り締めるのは
刈った雑草。