朱の蝶

祖母がいなくなった今、私は
この家には用なし・・・

17歳にもなって、どうして
まだ、この家に居るの?

学校を辞め、働く場所を探して
一日も早く出て行けばいいのに

小声で話す声、その冷たい視線
に、やり場の無い怒りを覚えた
私は、矛先を外に向けた。

同じような境遇の子達と、夜な
夜な遊び歩き、次第に家にも
帰らないようになり、夜の街を
不良仲間と屯して男と遊んだり
喧嘩したり・・・

体つきは華奢な私だけど、喧嘩
はそれなりに強かった。

それもそのはず、兄と再会した
5歳の頃から10歳まで、私は
兄の勧めで空手を習っていた