朱の蝶

ここにずっと居られへん事は
分かってることやろう

私は、今までもこれからも
ずっと独りきりやねんから

私は、湯船に顔をつける。

ずっと息が苦しくなるまで
水面に顔をつけ続ける。

限界ぎりぎりまで我慢する

「はあ」

大きく息を吸い込んで

私はまた、弱いくせに
強がってみせる。

「大丈夫」

湯気が立ち込める浴室
湯船から出る、私の右脇腹
一面には、龍と一輪の薔薇
の刺青

これは、ただ一新に似合う
女になりたくて彫っただけ
の安っぽい刺青

私は所詮、女・・・

何かを背負うわけでもなく
ただ、愛されたかっただけ