朱の蝶

料理のお皿を片付ける私に
聞こえる声・・・

「セキ、チカちゃん
 いい子だな?」

「ああ」

「俺、詳しい理由は分かんねえ
 けど、彼女に、ずっとここに
 居てもらえば・・・」

その言葉に、私はお皿を
落としそうになるが上手に
キャッチャする。

お酒に酔ってるとは言え
ルイさん、貴方は何を
言い出だすの?

「何、馬鹿な事、言ってる」

そうだよ、馬鹿な事
言わないで・・・

「セキ、お前もそろそろ
 チカちゃんと身を固めなさい

 子供はいいぞ」

その言葉に、私は真っ赤になる

「言ってろよ」

「ほんと、可愛いぞ」

ふと、子供の頃の弦の写真を
思い出した私は思う。