肌寒い、十一月

青い空・・・

白地に朱色の大きな蝶々が
たくさん舞い、白薔薇、薄い
緑の葉に寄り添う蝶々の姿は
とても可憐・・・

幻想的な柄の高級な着物を
着た、私は兄に手を引かれ
神社の境内を歩く。

温かくて、大きな手・・・

私を守ってくれるのは

この手しか、この世には無い

兄が私を見て、微笑んでくれる

「チカ、約束守って
 賢いぞ」

そう、私は昨夜
兄とある約束をした。

「チカ、明日の七五三
 ええ子にしとったら
 お前がいるもん何でも
 出店で、こう(買う)たる
 
 絶対、ええ子にしとけよ」

「うん、分かってる
 
 何、こうてもらおうかな?」