「オススメ!!なんなら貸しますよ?」


手元にあった本をヒラヒラとさせて、興奮覚めやらない声で誘ってみた。




「…え、でも。…いいの?」


蒼森さんは躊躇して話すけど、でも、借りたさそうにしている。


「もちろん。俺、結構読み込んでるし。むしろ、こうやって話せる仲間増やしたいし♪あ、蒼森さんのオススメも教えてください!!」


知りたいのは、本の趣味だけじゃないけど。


それは悟られないように、聞いてみた。




「…ふぅ。私は恩田陸かな。二転三転するミステリアスな感じが好きなの☆朝比奈さんが貸してくれるなら、私も本持ってくるから…、本、読ませてね。」




年上には思えないくらいに可愛らしく笑った顔に、またしても『ズキュン』とキてしまった…。


(回想終了)




それから自然と会話も増えて、本の貸し借りも頻繁にやって、俺と蒼森さんの仲は深まっていった


と、思う。