それに夜勤続きの彼女とは、検温の時ぐらいしか触れ合いがなかったし…。


到底親しくなんてなるのは難しい、なんて思っていた。




そんな彼女との距離がグッと縮まったのは、俺の趣味。


『読書』


結構遊んでることが多い俺が『読書』って、ツレの奴らにしてみれば意外らしい。


別に文系だってアピールする訳じゃねぇけど、昔から読書は好き。


好きなのは、東野圭吾。


『白夜行』は、俺が彼にハマるきっかけになった小説。


今じゃ東野圭吾の小説は全作揃えている。




…ちょうど、あの日も小説を読んでいた。




入院中は動くのも辛い。


でも暇だから、家族に頼んで何冊か持ってきてもらっていたんだ。