病院恋愛

しかし。




「いや?雪ちゃんが物欲しそうにお店を見ていたから、つい♪」


本人に、意図は通じていないようで。




…よし。


「そうでしたか〜。じゃ、用事がないようなので失礼します。次はリカの結婚式で。」


じゃ、と作り笑いで立ち去ろうとする私


……の腕を、ギュッと掴んできたのはもちろん彼で。




「行こうか。」


そう言って、私を引っ張っていく。


「あのっ、どこにっ」


「俺、これからオフ。だから付き合ってよ♪」


「はぁっ!?イヤですっ。」


「………キツいなぁ〜。」


貴方の軽い言動が全てが原因だと思いますけどっ。


「………。」


無言で、でも私を掴む手をとにかく離そうと躍起になっていると、


「でも暇でしょ。ね、行こ。」


私の拒否を態度で知っているはずなのに、先をどんどん行く隼人さん。


「い、いやぁ〜!!!!!ひ、ひとさら…ムガッ!?」


「ほら、騒がないの。まぁ悪いことはしないから。」


「ん〜〜〜っ!!」


「さ、車に乗ろうね〜。」


「んっ!?んぅ〜〜〜〜!??」





…こうして。私は誘拐されるように隼人さんの車らしきものに乗せられてしまったのだ。