「あ、いたっ!!ちょっと待っててね。」


目当ての人物を見つけたのか、リカは彼に駆け寄っていった。


「りぃ兄☆来たよ〜!!」


彼のまわりに人が少ないことを確認してか、彼の腕へと飛び込んでいった。


「よかった。迷子になってないか心配したよ。」


「むぅ。私、もう子供じゃないんだけどっ。」


「フッ…。わかってる。未来の奥さん♪」


ひとつひとつの言葉や態度に、信頼や愛情が感じられて。


…二人のやり取りを見て、微笑ましく思った。




「雪。こちらが理人(リヒト)さん。…私の旦那様になる人。りぃ兄、親友の雪だよ。」


「はじめまして。マリカから話は聞いてます。お会いできて嬉しいです。」


「こちらこそっ。はじめまして。」


りぃ兄、もとい理人さんは若くして引退したお父様の跡を継ぎ、社長になった人と聞いていた。