ビデオを見終わった4人は、妙に満たされた思いにとらわれていた。

失われていたパズルのピースが填まるように、記憶の欠落が埋まった。

それは風馬の存在すら封殺してしまうほど受け入れがたいものではあったが、思い出してよかったと誰もが思った。

そして、皆で相談して、ビデオテープをもう一度埋めることにした。

大切なものではあるが、他人の目に触れていいものではない。

埋めてしまうのが一番いい。

いつか、だれかが気づかずに開けてしまうことはあるかもしれない。

それまで、思い出の揺りかごに委ねる。

4人は何事もないように、日常生活に戻った。

だが、その胸中には、記憶の彼方に眠る友人の面影が生き続ける。