「あったか?」

「だめ、これただの石だわ」

「手応え、ぜんぜんない~」

「くそ、ハズレか」

地図の通りに掘ってるはずなのに、どうしたことかタイムカプセルは出てこない。

「おかしいな。場所はここで合ってるはず」

俊が地図を広げる。

「誰かが掘り出したなんてこと、ないよね」

万里花も腕組みして考えこんでいる。

一方、佐知と玲は密かに胸を撫で下ろす。

(出てこないなら、それでよしとするか)

(あれを見られるよりは、まあいいか)

そうこうするうちに、日が高くなってきた。

「腹へったなあ。ひと休みするか」

俊の言葉に、無論反対意見は出ない。

手頃な場所を選び、万里花が用意してきた弁当を広げる。

「しかし、なんで目印の場所に何もなかったんだ?」

俊は何度も地図を見直している。