楽しい時間も…つかの間…。
そう…今日は介人がフランスに旅立つ日。

私と…姉さんと隼人と皆の両親が介人の見送りに空港にいる。
『皆ありがとな。俺…頑張ってくるわ。』

『頑張ってきてね。』と姉さんが。

『頑張れよ。ちゃんとプロになれよ。』と隼人。

『体に気をつけて頑張れよ』と皆の両親。

私は…。声をかけれない。
不安になったり…泣き出しそうだから。

『小夏。』
介人がわたしをよんだんだ。


『何？』
私は俯いたまま答えた。

『俺…プロになって見せるからさ。だからまってろよ。ちゃんと毎日連絡するからな。』


『うん。頑張ってね。いつまででもまってるからね。』
やっと…言えた。

『小夏…ちょっとおいで』
介人は手招きしながら私を呼んだ。

すると…介人は私の首になにかをぶら下げた。

『これ…ネックレス…。』
どうしてか全然わからなかった。
『それはいつも俺が首にぶら下げてたやつ。今俺がつけてるのはそれとおなじやつ。』

『でも…どうして…？』

『それをつけて卒業式に出といて。俺の変わり。それに…お揃いのものがほしかったしな。
恋人の証だ。』

『わかった。嬉しい。卒業式…一緒に出れるね。ありがとう。好きだよ。いってらっしゃい』
そう言っている最中に涙が頬を伝った。

『泣くなよ。行ってきます。』

そう言って介人は飛行機に乗って旅立っだ。