まるで恋人を見てるかのように先生には悪いけど隼人のほうが姉さんに合ってるって思う。

二人の会話が家の中まで聞こえてくる。
「由佳先輩。俺初めて逢った時から先輩のことが好きです。
もう先生との結婚が決まって俺の気持ちに答えれないのはわかってます。でもただ伝えたかっただけなんで。」
と隼人が焦りながら姉さんに伝えていた。
「小夏。あんたもしかして…」
とお母さんがなにかわかったように言いかけてくる。
「そうだよ。このために。好きな隼人のためにチャンスをつくってあげたの。頼まれたから」
と涙声でお母さんに自分の気持ちを伝えた。

「私…本当は…グス…隼人のことが…グス…大好きだった。でも隼人にね…グス協力してほしいって…グス…頼まれたの。本当は…協力なんて…グス…したくなかった」
私はその時お母さんの腕のなかで赤ちゃんのように声をあげて思いっきり泣いた。
その時のお母さんはいつも以上に優しくてお母さんの腕の中は温かかった。

「そう。辛かったね。良く頑張ったね。でもね、まだチャンスはあるのよ?」
うん。と私は頷いた。