わがまま、言わせてよ【ミュージシャンとの恋】




「うん…うん」

…不安げな表情。


「何かご不満でも?」





遠い目をしながらヨシキに顔を近づけると、次は手をブンブン振っている。




「違う違う!!」





「じゃあ、何」


あたしがそう言ったら、右手を自分の頭の後ろに持って行き、頭をカリカリ掻き出した。





「いやー…佳代がわがまま言うの初めてだなぁと思って」


……ちゃんとあたしを見てくれてるんだ。

少しときめいたじゃないか……。


でも、今はそんな甘い気持ちは置いといて……


「だっていつもあたし我慢してたし、いろいろ耐えてたんだからッッ!
ヨシキのファンからのいやがらせだとかさッ…」