「……もうっ」 って言うなり、わたしは体を前に向き戻した。 だってくすぐったいんだもん。その……顔っ! だからそのくすぐったい笑顔から逃げるように。 照れ隠しじゃないよ。別に。 ……たぶんね。 「リーネ、りねっ、りね?」 でも、またすぐ後ろから声がする。 「もう、なにさぁ」 って、わたしはまた後ろを向く。 ちょっと呆れたように。 でもちょっとおかしそうに。