わたしが鞄をあさっていると、彼はそう言いながらイチゴオレを揺らした。



「えっ?まじ?ありがと!へへ、ごちになりやぁす」



それを両手で恭しく受け取ると、彼は「おぅ」と短く言って楽しそうに笑った。


仲のいい友達の中で唯一わたしのことを「りね」ではなく「里音」と呼んでくれるのは、今イチゴオレをごちそうしてくれた草太に他ならない。


「あれ、草太ぁ。うちらにはないわけ?イチゴオレ」



ともちゃん達は口を揃えて言う。


草太は困ったような表情で、下唇をいじりながら、うーん、と悩む。