「ただいまぁ」


どことなく名残惜しい気持ちで家へ入ると、お母さんが小走りでやって来た。


「あっ、未央。今朝、悠真くんに会えた?」


「え?悠真?そりゃあ、学校で…」


そう言うと、お母さんはため息をついた。


「やっぱり会えなかったのね。今朝、悠真くん迎えに来てくれたのよ?」