そう言って、小走りで台所へ行くと、布のバッグを持ってきた。 「はい、これを悠真くんに渡して」 差し出されたバッグには、タッパーが3つ入っている。 「何?これ」 「ご飯。今夜、悠真くんちご両親がいないのよ」 それで、わざわざうちから持って行くの? 「ちゃんと渡してね」 ご飯の途中なのに、お母さんに急かされて、悠真の家へ行く羽目になった。