キス…。 悠真がキスしてた。 付き合ってるんだもん。 それくらい当たり前か。 分かってるのに、何でこんなに涙が出るんだろう。 携帯が鳴っているのは分かってたけど、とても出る気にはなれず、無視したまま重い足取りで家へ帰った。 「ただいまぁ」 「あっ、未央お帰りなさい。これ、悠真くんちへ持ってって」 そう言ってお母さんは、クッキーを差し出した。