「も、もしもし・・・」

震える、声。

「あ、めい??」

聞いた事のある声。
私が聞きたかった声。

その声が、発したのは

「めい」

ただ単なる、自分の名前。

生まれて何千、何万回呼ばれた自分の名前が

その時には

美しいピアノ旋律みたいに心の中に響いた。

「あ、あの。。めい、だよな。宮澤めい。宮澤の携帯だよな。」

ボォッとしていた私にまた名前を呼ぶ。

「あっ、はい。は、ぃ。めいです。宮澤、めいの携帯でございます。。」