「ねぇ、美沙?」
「なぁに???」
「今日さ…片づけまかせてもいいかな?」
「いいけど…まさかぁ!?」
「うん…健斗と・・帰るから・・」



そう言って顔を真っ赤にする麻紀。


麻紀には付き合って間もない彼氏がいた。

学年で一番頭がいいと言われている、藤井健斗。



見た目から『まじめです』って感じで
正直私は好きでわない。



「はいよっ、いちゃいちゃしておいで」
「冷やかさないでよ!」
「はいはい。でも健斗のどこがいいのかな~?」
「ルックスじゃないよ。な・か・み♥」


目がキラキラしてる。


私にはわからない世界だ。

麻紀とそんな話をしていると、足に何かがあたった。



「ん?ボール?」

「すいませ~ん!」


まだ声変わりのしていない、高い声が近づいてきた。


「すいません。ありがとうございます」
「いえいえ、1年生?」
「はいっ!!」
「バスケ部に入るの??」
「そのつもりです」