体育館に着くと、他の学年やクラスの授業も行われていて、がやがやと騒がしかった。

そのとき、

「おい!未桜!」

掛け声やボールを弾く音を超えて響き渡る、聞いたことのある声。

まわりにいた女子たちが一斉にその声の主のほうを見た。

遠くから叫んだあと、こちらに歩いてくるその人。