【咲月side】

 慎也からの突然の告白。
 すごく嬉しかった。
 私は慎也をふった。
 前はあんなに好きだったのに。
 あの時の私からは考えられない行動。
 私には、南大樹という彼氏がいる。
 慎也は真希と私の会話を聞いていたのか、私と大樹くんが付き合っていることを知っていた。

 大樹くんと一緒に帰っても、全然楽しくなかった。
 考えてたのは、慎也のこと。
 南大樹っていう彼氏がいるっていうのに、最低だよね。
 でも、慎也のことが頭から離れられなかった。
 あの雨の帰り道の時のように、すごく辛かった。

「……き。……咲月」
「え、何?!」
「聞いてる?」
「あぁ、ごめん」
 慎也のことなんか忘れて、はやく大樹くんのこと好きになろう。
 そうしないと、大樹くんに失礼だ。