「咲月、吉田のこと好きなんでしょ?」
「え、何で知ってるの?」
 親友だし、嘘はつかなかった。
「見てれば分かるよ~」
 見てればって……。
 波香は私と吉田が一緒にいるところ見たことあるっけ?
「だって、時々咲月の教室の前通るけど、咲月、いっつも吉田のこと見てるもん」
 わ、私が、慎也のこと見てた?!
「親友でしょ?困ったことあったら何でも言って」
「ありがと」
 親友。
 波香がいてよかった。
「私の予想なんだけどね、吉田も咲月のこと好きだと思うよ」
「え!!?」
 慎也が、私を好き?
 ないないない。
 だったら、私の恋応援するとか、言わないでしょ?
 それに、私のこと名前で呼んでくれないし……。
「大丈夫だって。頑張れ」
「うん。ありがと」
 慎也が、私のことを名前で呼んでくれないことが一番辛い。
 私はそれから、慎也のことをまた名前で呼ぶようになった。

「空間図形教えてよ」
「いいよ」