【慎也side】
俺の好きな数学の時間。
数学はあんまり好きじゃねぇけど、咲月と話せるのは、数学の時間が多い。
つまらない先生の話を聞く。
「じゃあ、この問題解いて」
……垂線?
垂線を作図しろっていう問題。
垂線って、どうやって書くの?
「おい、咲月。垂線ってどうやって書くの?」
そしたら咲月は、「そんなのも分からないの?」みたいな顔をした。
しょうがねぇじゃん。
俺バカだし。咲月みたいに頭よくねぇもん。
「えっと……点Pから適当な長さで半円を書く」
俺はその通りに書いた。
「こう?」
咲月の顔を見る。
悲しそうな顔はしていなかった。
「うん。そしたら、コンパスを少し広げて、交わったところを中心にして、この辺に印をつける」
……近い。
「その印が交わったところと、点Pを通るように線を引く」
「これでいいの?」
「そうそう」
笑顔だった。
もう、気にしてないのか?
それなら、いいんだけど。
俺の好きな数学の時間。
数学はあんまり好きじゃねぇけど、咲月と話せるのは、数学の時間が多い。
つまらない先生の話を聞く。
「じゃあ、この問題解いて」
……垂線?
垂線を作図しろっていう問題。
垂線って、どうやって書くの?
「おい、咲月。垂線ってどうやって書くの?」
そしたら咲月は、「そんなのも分からないの?」みたいな顔をした。
しょうがねぇじゃん。
俺バカだし。咲月みたいに頭よくねぇもん。
「えっと……点Pから適当な長さで半円を書く」
俺はその通りに書いた。
「こう?」
咲月の顔を見る。
悲しそうな顔はしていなかった。
「うん。そしたら、コンパスを少し広げて、交わったところを中心にして、この辺に印をつける」
……近い。
「その印が交わったところと、点Pを通るように線を引く」
「これでいいの?」
「そうそう」
笑顔だった。
もう、気にしてないのか?
それなら、いいんだけど。